あしあとプロジェクト *イラスト こにたん
あしあとプロジェクト *イラスト こにたん

一般社団法人あじいる(フードバンク事業+医療相談事業)

 私たちは、生活困窮者に「食」(フードバンク事業)と「医療」(隅田川医療相談会)を無償で提供し、誰もが安心して生活できる社会をめざし活動を続けています。

フードバンク事業では、全国の支援者から届けられた寄附品を、難民支援・ホームレス支援・子どもの貧困・居場所づくりに取り組む団体などに提供しています。また、多様な背景をもつ当事者が主体的に社会に関わっていくために、あじいる内の取り組み(フードバンク事業や医療相談会など)は当事者が中心となって行っています

 

2つの団体が「一般社団法人 あじいる」となり、今までの活動に加え「しげんカフェ」への取組みも「企業組合 あうん」の委託事業を担う形で始めました。

そして、それぞれの活動を通して出逢った仲間たちの記憶を冊子に記録する、この「あしあとプロジェクト」も継続しています。

 

 


隅田川医療相談会 + フードバンクあらかわ →共同作業日 → あしあとプロジェクト

□隅田川医療相談会

 隅田川医療相談会は、一人ひとりの「医療、仕事、暮らし」を守るため、毎月第三日曜日を中心に、

 隅田公園で野宿者や生活困窮者を対象に無料の健康相談・生活相談・生活保護の申請同行を行っています。

 医療従事者や鍼灸師、法律家、学生を含む幅広い年齢層のボランティアが当事者と共に考え、活動しています。

 

□フードバンク あらかわ

  全国から届く寄附&農家から届く食品を、様々な福祉施設や子ども食堂、生活が苦しい人たちに食の提供をしています。

 また、色々な立場の仲間たちが集まり田植えから稲刈りを行い、そこで作られたお米も届けています。

 

□共同作業日とは

 上記二つの団体の活動場所で出逢った仲間たちとの作業場です。

 寄附をいただいた食料の仕分け、必要数量の手配、配送・発送作業。活動報告やお礼状の発送作業などを行っています。

 それぞれの経験を活かした出番と役割がある場所です。

 

この場所で生まれた関係性から「あしあとプロジェクト」が始まりました。

 

 

 

あしあとプロジェクト「あじいる」発刊に際して

「過去を聞いてはいけない」

30数年前、山谷に行ったときに、言われた言葉だ。過去ではない、いま現在を共有することが必要だと思ってきた。

しかし、年月が経ち、個人的にも関係が深くなると、いろいろな場面で自らの過去を語る仲間の姿を目にしてきた。子どものころのこと、家族の関係、仕事のこと、なつかしさや後悔、そして楽しい思い出等々…。

 

若いころには考えもしなかった過去を語るということを、年を重ねる中で誰かに伝えたいという気持ちが出てくるのは、60代になった今の私にはわかる気がする。そんな仲間の声を聞きながら、これをこのままにしてはいけない。聞き流してはいけない。その人の歴史を記録していくことの必要性を感じた。

 

私たちが出会う人々は、人生の後半戦に関わることが多い。彼らは、自分の子どもや孫に話すかのように、自分の人生を語りだす。

最初は躊躇していても、一旦語りだすと、次々と言葉があふれ出る。そんな一人一人の人生は、当たり前だがどれ一つとして同じものはない。

「ホームレス」「野宿者」「生活保護受給者」等々、世間ではひとくくりにし、顔が見えなくされてしまう。

よくある「ホームレスは怠け者だ」といった偏見は、こんな中から生まれてくるのだろう。

 

「あしあとプロジェクト」は、語る側にとっては、自分の生きてきた証をこの世に残していくことになると同時に、読む側にとっては、一人一人の人生を知ることで、偏見や差別、社会の矛盾に少しでも目を向けてもらうきっかけになればという思いから始まった。

 


あしあとプロジェクト

Mail  sumida.iryo☆gmail.com ←☆を@に変えてお送りください。